農園のあるところ

たべくら農園は、長野県松本市の北東にある四賀地区(旧四賀村しがむら)にあります。

標高約700m。晴れた日は、遠く北アルプスの美しい稜線を望み、山間には小さな田んぼがいくつも広がっています。 

この土地特有の粘土質の土と、朝晩涼しく日中暑い、一日の寒暖差の大きい気候が、濃厚でぎゅっと旨みの詰まった野菜を育ててくれます。

四賀は里山の自然が豊かで有機農業をするにも暮らすにも、子育てするにも良い所です。

「たべくら」の由来

有機農業を始める時に、真っ先に思い浮かんだのは 「自然に寄り添って生きて、育てた野菜を食べて暮らしたい」という思いでした。

美味しい野菜が食べたい思いが、美味しい野菜作りの第一歩。

四季のある日本では本当に多種多様な野菜が育ちます。
信州の風土を感じて野菜を育てる面白さ、季節の移り変わり、育ち食べられるものが限られる不自由にある豊かさ、畑から繋がった食卓で自然を感じて料理が食べられる楽しさもあります。


自然との繋がりを学び、美味しく食べて、暮らしを面白くする、そんな想いを「たべくら」に込めました。

農薬・化学肥料を使わないシンプルな農業

たべくら農園では全ての野菜作りにおいて農薬・化学肥料は一切使っていません。 それはシンプルな農業が好きだから。

多品目の野菜栽培なので、一時期に常に十数種類の野菜の管理をしています。更に農地もまとまっていないので、いつでもあちこち動きながら頭も身体もフル回転です。

畑に微生物を増やし、多様性を大切にします。多種多様な微生物が、人の手ではかなわない絶妙なバランスの豊かな土を育ててくれるのです。土が健康になれば、野菜も自然に健康に育ちます。多くの生物が共存している畑では、虫や病原菌がいても大きな問題にはなりません。

色々な野菜を同時に育てるには、農薬を使わない方がよりシンプルに栽培出来るのも魅力です。

台所が楽しくなるように

旬の時期に野菜を育てます。

旬とはその野菜が一番美味しい時期であると同時に、一番その野菜が無理なく育つ時期。旬の野菜はその季節の自分の身体に合っていて、栄養的にも良いものばかり。 そんな野菜たちは育てるのも食べるのも本当に楽しいものです。

我が家では、食卓にのぼる野菜のほぼ全てが自分たちの農園で穫れたもの。 私たちは野菜を作るのも食べるのも大好きだから、自分たちが日常に食べて本当に美味しいと思える野菜を皆様にもお届けしたいと思っています。


たべくら野菜なら、ちゃんと野菜の味がするから、切るだけ、焼くだけ、調味料は塩だけだって、立派な一品の出来上がり。

野菜そのものが主役になる、あっと驚くほど簡単で美味しい野菜の食べ方を日夜研究中。そんなレシピも野菜セットと一緒にお届けしています。

身も心も大満足な、豊かな食卓作りをお手伝いします。

わんぱく男児の子育て中

我が家には2015年と2019年生まれの男の子がいます。ここだけの話、野菜農家の息子だけどそんなに野菜好きではなく、ご飯作りには結構気を遣います。でもバクバク食べる大好きな野菜もあったり、調理の仕方次第では食べてくれたり、きっと皆さんのお家の子どもたちとそんなに変わらないんじゃないかなと思います。

子育て中で大変なこともあるけれど、毎日にぎやかで楽しく、有難い存在です。

子育て農家の日々の様子はInstagramFacebookにも時々載せています。

1 8
  • 古家 豊和 Toyokazu Furuya

    愛知県出身。

    ずっと百姓にあこがれていました。町育ちで農業のことも全く知りませんでしたが、旅や自然が好きで、 ずっと自然と関わって生きていく方法を考えていくうちに有機農業に出会いました。

    そして農業の師匠と出会い、長野市中条のまごころふれあい農園で2年間の研修をしました。 そこで学んだのは多品目の百姓仕事や自給の楽しさ、大切な微生物の事、地域・田舎暮らしの関わり。憧れていた有機農業の自然観も、有機農家で稼ぐための心構えも、そこで学んだ経験が基になっています。

    美味しい野菜が食べたい思いが、美味しい野菜作りの第一歩。 有機野菜をもっと身近に美味しく、もっとみんなの暮らしに近づけたい。

    就農してからも、毎日毎年が少しずつ違う有機農業の大変さと楽しさの間で右往左往しながら、頭も身体も目一杯使い続ける毎日です。

  • 古家 節子 Setsuko Furuya

    東京都出身。

    旅が好きで海外添乗員に憧れて、某旅行会社に就職するも、なぜか登山ツアーの担当になり…。 でもそこで山の面白さに目覚め、自然の懐の深さを知ることとなりました。

    忙しく充実した日々を過ごしていましたが、都会の生活の地に足のつかない感じがどうにも性に合わず、 28歳の時に約6年勤めた会社を辞め、前から興味はありつつも未知の世界の「農業」に足を踏み入れました。

    数軒の農家さんに住み込みで働かせてもらううち、どっしりと地に足の着いた農という職業に手ごたえを感じ、 いつの日か農業を生業に生きていこうと心に決めました。

    約3年間の放浪農民生活の後、2014年、パートナーとともにたべくら農園として独立し今に至ります。

身近な原料を使っています

たべくら農園では農薬も化学肥料も一切使用しません。もちろん有機JAS認証で使用が認められている農薬も使っていません。

使っているのは、自家製の「ぼかし肥料」と地元四賀で作られる「発酵鶏糞」。

「ぼかし」とは植物が分解しやすい形に発酵させた肥料のことです。 たべくら自家製ぼかしは、米ヌカとモミガラと、自然のエネルギーたっぷりの土着微生物のみで出来ています。 微生物も遠くから運ばれてきた市販の単一な菌などではなく、この土地に古くからいる、 家の裏山にいる身近な菌(放線菌、糸状菌、納豆菌など多種多様)を培養して使っています。 ぼかしはまさに日本の発酵文化。古くから行われているしょうゆや味噌の醸造と同じ原理です。

出来上がったぼかし肥は微生物そのもの。生きた肥料です。

また、発酵鶏糞は地元の養鶏場で廃棄物とされてしまうニワトリの糞と、きのこの菌床などを混ぜてしっかり発酵させた堆肥です。 そして鶏糞は肥料であると同時に、ぼかし(微生物)の食べ物でもあります。 鶏糞とぼかし肥を一緒に畑に撒くことで、土壌微生物が倍々に増え、ふかふかとした植物が育ちやすい土を作ってくれるのです。

身近な資源を使ったり、小さな工夫を積み重ねることで、 限りあるものにできるだけ依存しない農業を心掛けています。 身軽で身の丈に合った小さな農業は、何があっても負けない強さを持っていると信じています。 これからも農業をずーっと続けていきたいから、自然環境にとっても自分たちにとっても持続可能でありたいと思います。

そして自然の力に大いに助けられる

広い農地もあまりないここ四賀で、多品目の野菜を出来るだけ効率良く作るためには、自然の力を借りることが非常に重要です。

日光ほど頼れる熱源はないし、雨ほど頼りになる水なんて他にはありません。 毎日の作業を考え空模様を見てみては、太陽を待ちわびたり雨を待ちわびることも。 近年の極端な天気は思いもよらぬ自然災害を引き起こし、農家は右往左往させられていますが、それも自然の流れ。 結局は自然に合わせて農業を営んでいくのが、一番理にかなった方法だと感じます。

自然の営みになるべく逆らわず、助けられながら、これからも力強く健康でおいしい野菜を育てていきたいです。